35:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 00:12:17.33 ID:WOJJWRsc0
「お待たせしました。では、ここからは私が引き継ぎますので」
「おう、頼んだぞ。須藤」
須藤と呼ばれた二十代後半の若い刑事は、ニコニコと笑いながら
今まで満の尋問を担当していた刑事達を部屋から送り出していった。
「佐野、満さんですね?」
「はいそうです。なんだよ、もう何がやりたいんだよアンタ等」
「申し訳なく思っています。ですが、私達の事情も分かって下さい」
「凶器も遺体も見つからない中、唯一貴方だけが生存している」
「ほー。そうやってそれっぽい証言引き出して犯人に仕立てあげんだろ!」
「白も黒も関係なく、私達は貴方から情報を引き出すしかないのです」
申し訳なさそうな表情を浮かべた須藤は、なんとか怒り狂う満を
宥めようと言葉を尽くして、懸命に言葉を重ね続けた。
「どうしても俺を信用させたいなら証拠を見せろよ!証拠を!」
「そんな...」
「見せられないだろ?そりゃそうだよ!」
「お前らは俺を犯人に仕立ている最中なんだからなぁ!」
言葉を失った須藤は、そのままうつむいたまま黙ってしまった。
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