302:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/30(日) 11:54:53.21 ID:DSAJ+Ylu0
「悪く思わないくれよ!」
アビスが選んだのは後者だった。
どのみちゾルダの殺害は今回の作戦に含まれている訳だし、ここで強力な
ライダーを確実に倒しておけば、この先の戦いを優位に進められるのは
目に見えている。
「Strike vent」
由良吾郎は己の命運はここまでかと天を仰いだ。
だが、天は彼を見捨てていなかった。
「Advent」
アビスクローから水が発射される前に、アビスの体がまるで見えない
巨大な何かに突き飛ばされたかのように宙へと吹き飛ばされたのだった。
「うわああああああああ!!!」
叫び声を上げながら路地裏から道路まで吹っ飛ばされたアビスを
目を丸くして見送った吾郎の頭上から懐かしいあの声が聞こえてきた。
「ゴロちゃん!」
「先生!よくご無事で!」
クリアーベントの効果が切れたベルデが土の中に生き埋め寸前になった
ゾルダの横に立っていた。
「バイオグリーザ!ゴロちゃんを穴から出してくれ!傷一つつけるな!」
カメレオンのミラーモンスターが契約主の言葉に従い、その強力な
腕力で土の中に埋め込まれたゾルダを掘り起こした。
「でも、どうしてここが?」
秀一の肩を借りて立ち上がった吾郎は当然の疑問をぶつけた。
「城戸の奴がゴロちゃんの居場所を教えてくれたんだよ」
「城戸さんが?」
「ああ。龍騎に変身した奴が路地裏に入っていくのを見てね」
「そしたらなんとゴロちゃんがそこにいたのさ」
「そうだったんですか」
九死に一生を得た吾郎は、それでも何か腑に落ちないかのように
首をかしげていたが、とりあえず北岡と合流できた事を喜ぶ事にした。
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