3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/23(日) 23:52:47.91 ID:p+cBhhHk0
ボロアパート
「んあ〜!疲れたー!」
清潔とは言いがたい6畳1間の万年床に身を横たえた満はそのまま
グウグウといびきをかいて夢の世界へと旅立っていった。
後悔先に立たずという言葉がお似合いの半生だった。
やり始めたことを最後まで自分の意思でやりきったという実感を
得ないまま肉体だけが大人になってしまった子供。それが一人の人間として
お前を見たときに出た言葉だよ、それが父から最後に親として言われた
言葉だった。
幼い頃に離婚して、物心ついたときには仕事で家に帰ってこない父親と
虚しい義務感だけの家族ごっこをしていた。
母親や父親に頭を撫でられるそれなりに仲の良い友達や、誰からも
慕われる人の良い先輩になろうと、そうした連中の後をついてまわった
小中学校時代は、結局何も得ることが出来ずに都合の良いイエスマンに
徹することで終わりを告げてしまった。
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