258:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 23:02:22.78 ID:xchiMuX50
「だから、俺は自分が死ぬその時まで戦う事にしました」
「その上で、先生達に背中を預けたい。そう思ってここに来ました」
誰かに踏みにじられて、その存在を忘れ去られていく雑草であっても、
最後の瞬間までにはどんなに小さくても譲れない矜持を持てれば、きっと
その生涯は無意味なんかじゃないんだ。
満の決意に、香川も自らの思いを明らかにした。
「佐野君。戦いが終わった時、私達四人が揃う事はもうないでしょう」
これからの戦いが犠牲なくしては勝ち抜いていけない程の苛烈な戦いに
なる。香川の口から出た言葉は、満や東條と仲村にそう思わせるだけの
深い重みがあった。
「戦いが終わった時、果たして何人がここに戻ってこられるのか」
「それは、私にも君にもわからない」
「しかし、私は誓いますよ」
「私は最後まで自分が掲げた信念は絶対に曲げない」
だが、満がようやく戦う理由を見つけたように、香川にもこの戦いを
降りる事が出来ない絶対的な信念がある。
「貴方が私に庇護を求めたように、今度は私も貴方に覚悟を求めます」
「佐野君。君は最後まで私達に協力してくれますか?」
「仲間として、一人の人間として、最後まで戦い抜いてくれますか?」
断る理由は、もとよりどこにもなかった。
「誓います」
「その誓い、確かに受諾しました」
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