249:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:55:54.81 ID:xchiMuX50
「仲村君のチームが西側の出口に、私のチームが東側の出口に陣取ります」
確かにライダーバトルに全く何の関係のない遺族達を巻き込むのは
香川とて気が引ける。
だが、誰かがあの悪魔を殺さなければならない。
香川の掲げる正義は、悪を担う覚悟を持つ正義である。
死ぬしかない者が殺され、死ぬ理由のない者たちが救われたのであれば、
人は無力に打ちひしがれ、耐えきれない悲しみに心を切り裂かれても、
まだ生きる事を諦めずにいられる。
死ぬ理由のない者達が殺され、死ぬしかない者が生き残った挙げ句に、
罪を償う事なく同じ過ちを繰り返しながら、なおも我欲の為に多くの弱者を
虐げるのだとしたら?
誰かがその悪を食い止めなければならない。
食い止める方法に正義も悪も関係なく、必ず悪を断たなければならない。
誰に許されることもなく、ただただ正しさを成すために悪に身を堕とす
悲壮なまでの正義こそが英雄には必要なのだ。
「東條君、もう一度聞きますよ?本当に本気なんですか?」
「はい。僕が先陣を切って浅倉を足止めします」
「...わかりました。危ないと思ったら、私達も加勢します」
「現状、私達のファイナルベントでは奴の契約獣を敗れません」
「くれぐれも、カードの使い所を間違えないでくださいね」
「はい」
しかし、己が掲げた正義を為すには香川英行はあまりにも清廉すぎた。
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