232:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:45:44.42 ID:xchiMuX50
「待て!」
自分の背後から聞こえた鋭い声にアビスは振り返った。
「なぜ俺にトドメを刺さなかった?」
「二人と、約束したからだ。出来るだけの手助けをすると」
「だから殺さなかった。別にあんたを助けるつもりは毛頭ないしね」
ナイトの血を吐くような叫びを一言で切り捨てた満は、そのまま
近くにあったガラスの中に身を投じて、現実世界へと帰還していった。
「くっ...何故だ、俺は、俺は...ッ」
「蓮...」
「来るな!」
よろめきながら立ち上がった蓮が、吹き飛ばされた自分のバイザーの
元へと歩いて行く。
自分の見た予知夢と違う展開に焦りを隠せない手塚は、自分のバイザーを
拾い上げて戻ってくる蓮の姿を見守りながら、バイザーにカードを挿入し、
注意深く周囲を見回した。
アドベント、ファイナルベント、コピーベント、そして神崎士郎から
戦いの円滑化という名目で渡された上級カード、サバイブを含めた
四枚が今の手塚の持っているカードだった。
(くっ、どこだ...どこにいるんだ)
「蓮、もう良いだろう。早く戻ろう」
「手塚?危ない!」
「はっ?!」
顔を上げたナイトの叫びに後ろを振り返ったライアは、今まさに自分
めがけて自分の得物である鞭を叩きつけようとするミラーモンスターの
姿を視界の中に納めていた。
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