213:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:35:28.98 ID:xchiMuX50
第十五話 覚悟
〜〜
「ただいま...」
久々に帰ってきたボロアパートは相変わらずの様相を呈していた。
まさにゴミ屋敷寸前の懐かしい自分だけの居場所だ。
(はっ、まるでゴキブリの住処じゃんか...)
片付ける気力も起きず、万年床のかび臭い匂いを放つ布団の中に
身を放り投げる。
ばふん!
「げっほ!げっほ!」
布団の中に溜まっていた埃やダニの死骸が一斉に舞い上がる。
「なんだよこれ!くっそ!ふざけんなよ!」
目の中に入り込んだハウスダストが染みる。
慌てて水道の蛇口を捻った満は顔を念入りに洗い、目に入ったゴミを
洗い流したのだった。
「そうだな...洗濯しなきゃダメだよな」
実家を出てこのボロアパートに入居したのが19歳の秋だった。
その時に買ったっきり、洗濯もなにもしていなかった。
「はぁ〜。ほんっと〜についてないよな〜」
「あーあ。もう嫌になっちゃったよ」
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