153:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/25(火) 11:05:36.83 ID:L6BVEgLS0
「佐野君。幾つか答えて欲しい事があります。いいですか?」
「は、はいっ!答えます」
「では、一つ目の質問です。佐野君は何のために戦っているんですか?」
「え、えっと...死なないためです。生きる為です」
「ほう。生きる為。ですか」
「では、生きる為にライダーを殺す覚悟を持った事はありますか?」
「そ、それは...分からない、です」
自分は浅はかで、何かを変える事が出来ない人間だけど、復讐の
無意味さと報復の連鎖はいつまでも悪い方向に続いてしまうと満は
己を回顧した。
神崎士郎に巻き込まれて満のライダーバトルは始まった。
アイツのせいで、自分は何度も死にかけたし、罪のない人達が自分の
せいで命を落としてしまった。
今でも神崎士郎の事は恨んでも怨み足りない。
だけど、望む望まぬに拘らずこのバトルに参加したライダー達を
殺すのは間違っていると、それだけは断言できる。
「そうですか。では言い方を少し変えてみましょうか」
「多数を殺す事が出来る個の存在を殺さなければならないとき」
「その個を殺して、平穏が得られるのが確定しているなら」
「貴方は、それでも自分の戦いをやめる事が出来ますか?」
「それは...」
満のような人間にとって、善悪の二元論は難しい質問だった。
何を成せば善となるか?何を成せば悪となるか?
その二つを己の心の中の秤にかけて、人は未来を選びとっていく。
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