146:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/25(火) 11:01:52.18 ID:L6BVEgLS0
「いや〜。香川先生って凄いんですね〜」
「生徒さん達、みんな先生のことすっごく慕ってるじゃないですか」
「いえいえ、私はそんなに大したことをしていませんよ」
「教師として、自分の見識の範囲内で彼等に助言をしただけです」
満の絶賛を謙虚に受け止めた香川は、満の持ってきたトレイをじっと
見つめながら、話題を逸らし始めた。
満のトレイには、A定食とカツカレーの二つが乗っかっていた。
「おや、佐野君はカレーが好きなんですか」
「大好きですよ。あ、横浜カレーって知ってますか?」
大盛りのカレーを口に運びながら、香川は満の振った話題に真摯に
答え始めた。
「よく知っていますよ。私の家では年に三度ほどそのルーを使いますから」
「あー!そうなんですか〜?やっぱり分かる人には分かるんだ〜」
「俺のバイト仲間は皆バーモント、バーモントって口を揃えるんすよ」
「ほう、それは損をしていますね。コクの深さが分からないとは...」
「さっすが先生、お目が高い!」
「そもそもカレーというのは、辛くなくては始まりません」
カレーうどんを綺麗に啜る香川は、満とカレー談義に花を咲かせていた。
やれスープカレーは邪道だとか、カレーの隠し味に牛乳や果物は
不必要だとか、今まで食べたカレーの中で何が一番辛かったか、等等の
他愛もない話に熱中していたのだった。
そのうち、カレー談義は香川の家族の話へと変わっていったのだった。
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