佐野満「えっ?強くてニューゲーム?」
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142:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/25(火) 10:59:46.46 ID:L6BVEgLS0
 その男は、一言で言うならば理知的だった。

 全身から立ち上るカリスマが、目に見える自信という形で見える人間。

 それが目の前の男、香川英行に対して満が抱いた第一印象だった。

「香川さん、ですか。えっと...ありがとうございます」

「なにがでしょうか?」

 理知的だが、同時に温厚さすら感じさせる香川は、事情が掴めずに

きょとんとしている満の近くに歩み寄り、手に持っていた500mlのペット

ボトルのジュースを手渡した。

 キャップを開けて、口をつけて一気に飲み干す。

「一息つけましたか?」

「ええ。ジュース美味しかったです。ありがとうございます」

 混乱する心を静めた満は、一体どのように自分がここに来たのかを

香川に対して質問した。 

「さっき...河川敷で倒れていた僕を助けてくれたんですよね?」

「いえ、私はただ貴方をここで休ませただけです」

 自分も手に持っていたペットボトルのオレンジジュースを飲みながら、

香川は満が理解できるように、簡単に事情を説明し始めた。

「私の教え子がね、貴方を抱えてきたんですよ」

「河川敷を車で走っていたら、なにやら自転車が転がっている」

「怪しい。誰かが犯罪に巻き込まれたのではないのだろうか?」

「そう思って河川敷を探すと、貴方が倒れていたそうです」

「意識を失った貴方を起こそうとしても、中々目覚めない」

「かといって警察を呼んであらぬ疑いをかけられたくもない」

「それで僕をここに連れてきたと?」

「ええ。私は教授なんですよ。当然この大学の医学部にも顔が利きます」

「そうだったんですか...」

 色々と腑に落ちないことはあるものの、香川の言っている事は大体が

真実なのだろう。以前ミラーワールドがらみで警察に厄介になった

満としては、また警察に厄介になるのは避けたかったというのもあるし、

何よりも目の前の男が社会における一種の立場を確立した大人である

ことも香川を信用できる大きな安心としてあった。

(ふう...我ながら悪運が強いなぁ...運が良いんだか悪いんだか...)

 果たして目の前の人にライダーバトルの事を打ち明けても良いの

だろうかと思案に暮れた満は、ここでようやく自分の今着ている服が

先程まで着ていた服とは違う事に気が付いた。


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