141:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/25(火) 10:59:06.68 ID:L6BVEgLS0
第十一話 the alternative
清明院大学大学院 401研究室
「う、うーん...」
意識を取り戻した満がいたのは、全く来た事のない大学の一室だった。
「ここは...どこだ?」
身体を起こして周囲を見渡す。
窓という窓は黒いカーテンで閉められている。それどころか何かを
反射する者には全て何かしらの黒い覆いが掛けられているのだ。
(ああ...こうすりゃミラーモンスターは出てこれないよな)
ソファーをくっつけた簡素なベッドから降りた満は、そこかしこに
物が散乱した研究室を歩き始めた。
「おや、お目覚めですか?」
「ひぃっ!」
自分の背後、大きな黒板の隣にある扉から一人の男が姿を現した。
「あ、アンタ一体誰だ?!」
「これは失礼。驚かせてしまったようですね」
「私は香川英行。この研究室の主です」
一分の隙も無駄すらもないその洗練された動きは、まるで全てが自らの
想定内だと言わんばかりの自信に溢れていた。
研究室の一番端っこの黒いカーテンを男は引いた。
シャッ!シャッ!シャーッ!
研究室の全てのカーテンが開かれた時、満は自分に語りかけた人物の
顔をようやく直視する事が出来た。
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