119:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:13:39.96 ID:WOJJWRsc0
「私は全く悪くないんですよ。注意せずに飛び出したあのガキが悪い」
「信号は点滅していたとは言え、青だった。証拠だってある」
「ええ。ばっちりドライブレコーダーに写ってましたね」
「流石次期社長。クラクションも鳴らして注意を促してる」
自分の罪を認めるどころか、殺した人間の命を無価値と断じる傲慢さは
悪徳弁護士を自認する秀一の気分を害するには充分だった。
この男の年齢は43歳。まだまだ働き盛りの出世頭だ。
だが、信じられないことにこの男は一児の父親だった。
我が子が殺されたとき、相手の親が自分みたいな白を黒にするような
悪徳弁護士に弁護を依頼し、あの手この手で無罪を勝ち取られる気持ちを
想像できないのだろうか?
(ま、俺も人でなしには違いないけど、お得意様だからねぇ...)
(2000万前払いされたわけだし。本気で取りかからせて貰いましょうか)
子供を失った親には悪いとは思うが、これが自分の仕事なのだ。
弁護士としてこういう事件は既に6件ほど担当しているから、相手の
出方や反論パターンも全てにおいて完璧に対応できる。
シニカルな笑みを浮かべた秀一は今回の裁判も楽勝だなと高を
くくった。
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