118:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:12:56.25 ID:WOJJWRsc0
〜北岡弁護士事務所〜
「はい。こちら北岡弁護士事務所です」
「ああ〜。お待ちしておりましたよ。さ、こちらへどうぞ」
昼下がりの高級住宅街に事務所を構える若手のやり手弁護士、北岡秀一は
今日も忙しく働いていた。
「いや〜。北岡先生の弁護とあれば私も安心出来ますな」
「いえいえ、私なんて皆さんから見ればまだひよっこですよ」
「またまたご謙遜を〜。では、打ち合わせを始めましょうか」
「ええ」
(はぁ...子供をひき殺して良心の呵責ってのはないのかね?)
(こーゆー大人のことを人でなしっていうんだよね)
にこやかな笑みを浮かべながら、秀一は内心で目の前の男をそう評し、
テーブルの上に事前にまとめておいた今回の裁判の資料を並べる。
今回の裁判で弁護するのはそれなりに名前がある企業の幹部だった。
大事な会議に遅れそうになり、制限速度を大幅にオーバーして愛車を
運転している中、運悪く曲がり角から飛び出してきた子供を跳ね飛ばして
しまったのだった。
この事故で命を落とした子供はまだ10歳だった。
時速60kmを超える速さの鋼鉄の塊に直撃された子供の身体は宙を舞い、
そのまま頭からアスファルトに突っ込んでしまい、即死。
当然100%目の前の男が悪いのだが、問題はこの男の性根だった。
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