113:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:10:08.18 ID:WOJJWRsc0
「いいか。俺の前を歩け。お前は盾だ。俺の盾代わりになれ」
言葉が通じたかどうかは理解できないが、うなり声を上げたもう一体の
契約獣は特にその命令に逆らうことなくゆっくりと前を歩き出した。
「狙えるもんなら狙ってみろよ...」
アビスラッシャーの先導を注意深く見守り、歩を進めていた満は、
ここで唐突に自分の背後ががら空きであることに気が付いた。
確かに50mも離れていないところにはモンスターが身を隠すのに絶好の
本棚がいくつも並んでいる。だが、目の前の契約獣は館内にいるであろう
モンスターの気配を察知することはなく、ズンズンと前に歩を進める
ばかりだった。
「?!」
自分が無防備な背中を敵に見せている事に気が付いたアビスは、まるで
弾かれたように近くにあった大きなコンクリートの柱に身を隠した。
「アビスラッシャー!後ろだ!」
その声にくるりと身体の向きを変えたアビスラッシャーの胴体に
4本の矢が狙い誤ることなく次々に突き刺さっていった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
口、右腕、左腿、鼻。
もし自分がアビスラッシャーの後ろにいたままだったら、今頃ああ
なっていたのは間違いない。
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