102:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:02:57.50 ID:WOJJWRsc0
「で?何か注文するのかい?」
「えーと、じゃあミルクティー二つとカフェオレ一つで」
「はいはい。じゃあちょっと待っとくれよ」
城戸、と呼ばれた青年の注文に応えた女店主はコーヒーメーカーの
スイッチを押し、鼻歌交じりに紅茶の茶葉を探し始めたのだった。
「初めまして?で、いいんだよな?」
「えーっと、何さんでしたっけ?」
「俺、佐野満です。21歳のフリーターです!」
「お、おう...佐野さんね」
「俺は城戸真司。23歳のジャーナリスト見習いだ」
「今はOREジャーナルってところでネット記事を書いてたりするんだ」
何を考えて良いのか分からない今、相手の気持ちを考えて先読み
してくれる真司の馴れ馴れしさが今は無性にありがたかった。
タクシーの中で聞かされたとおりの人なんだな。と満は目の前の真司の
ひたむきで裏表のない、その真っ直ぐさに感動を覚えていた。
真司も自分と同様にライダーである事には変わりないが、他のライダーと
変わっているのは、モンスターを倒す為だけにライダーの力を振るう
唯一の非戦的なライダーだと言う点に尽きていた。
自分と同じ位の年齢で、しかも神崎士郎によって凄惨な殺し合いに
巻き込まれたにもかかわらず、なぜ彼は今の自分のように憔悴せずに、
持ち前の明るさを失っていないのだろう?
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