189:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 01:35:21.43 ID:+wWQUoMO0
提督「....知ってたの?」
大井「当然です。何年艦娘やってると思ってるんですか」
一つため息をつく。なんだかこの大井さんにすごく安心した。いつもの近くにいた大井さんだからだと思う。
大井「それに私だけじゃないですよ。みんな知ってます」
みんな知っている。大井さんはそう言った。でもそんなわけない。だって私は意図的に、誰にも悟られないように振る舞ったはずだ。
もし知っていたのなら、私に接する態度は変わるはずだ。生きてても、死んでいても。自分を殺そうと命令した人間に、いつも通りなんてできっこない。私はそのことを大井さんに告げる。
大井「自分の死に場所くらい、察せますよ。だって私達艦娘は、ほとんどが一回死んでいるんですから」
提督「そんな悲しいこと口に出さないでよ」
大井「だって事実なんですから」
私が言える立場なんかじゃないことは知っている。でも、言わざるをえなかった。
だって大井さんの声は震えていたから。目を瞑っているから、研ぎ澄まされた聴覚が些細な変化を聞き取ってしまった。
一回死んでるからってなれるわけじゃない。死ぬのは何回でも怖いはず。
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