99: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/06(土) 04:37:06.85 ID:u3lwuGH40
翌日、移動のバスがあの街に差し掛かると、まず車窓からの景色をひたすら収めました。
勿論オフ日に自分の足でも回りますが…彼がどんなものを見て来たのか、記録したいと思ったので。
今回の演習は、相手方は着任から浅い子達で構成されています。
そんな編成なのであの人はいなくて、どうしようかと途方に暮れていた時の事です。
「……あなた、__鎮守府の方かしら?」
振り返ると、青葉と変わらないぐらいの女の子。
少しキツそうな声色ですが、何処か見覚えもあるような…あれ?この制服って…。
「初めまして!そうです、__鎮守府の青葉と申します!」
「私は扶桑型二番艦、山城よ。 ねぇ…__提督は今日いるかしら?」
「いえ、今日はうちの少尉さんが引率ですが…。」
「そう…じゃああいつに伝言をお願い。“あんた、次会ったら殴る”って言っておいて。」
え?この子何言って…。
咄嗟にその子の肩を掴んで、足を止めさせてしまいました。
この子、見る限りあの人の…でも、何でそんなに…。
「…何よ。」
「い、いえ、うちの司令官と何かあったのかなって…。」
「…あなた、もしかして姉様の事を知ってるのかしら?あいつとの関係も。」
「はい…知ってますねぇ…。」
「…艦娘の姉妹艦って、大体の子はエルダー制みたいなものじゃない?でも私達は、実の姉妹なの。
だから全部知ってるわ……あの男…姉様を散々泣かせておいて、許せるわけ無いでしょう…!
今日はあなた達の敗北を、あいつへの土産にしてあげるわ。覚悟しておいてね。」
その捨て台詞と共に、つかつかと山城さんは去ってしまいました。
すごい剣幕だったなぁ…妹さんがあそこまで怒るって、本当に何があったんだろ。
でも…青葉もちょっと怒っちゃうな。好きな人をあんな風に言われたら。よし!今日の演習、絶対勝ってやる!
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