74: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/26(水) 03:54:03.55 ID:H6gDLKu+O
「みっともないですね…少しは抵抗出来ませんか?ほら、せっかく拳銃持ってるんですし…。」
「ひっ…た、助け…。」
「はぁ……それ、あなたは一体何人に言わせたんでしょうね?もういいです。」
青年は再度銃を構え、引き金に指を掛ける。
その際中年が見た、青年の目の奥にあるものは…。
それが、中年が最期に見た光景だった。
「おやすみなさい。」
その微笑みと、がしゃん、と言う地味な音の後。
ビチャビチャと音を立て、壁に赤いシミが広がった。
「あーあ…こんな奴じゃダメだったかぁ。」
たった今自身が生み出した死体を一瞥し、青年はそうぼやいていた。
困ったような笑みを浮かべ、やがて死体処理担当の者がそれを何処かへ運び去っても。
青年は、尚も微笑を崩さずにいた。
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