青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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54: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/20(木) 01:26:40.21 ID:RzQS9TXiO
背中の火傷の痣に、脇腹や肩に走った、恐らく破片が掠ったであろう傷跡。
引き締める方に鍛えられた体と相まって、それは随分と痛々しく見えました。

この時青葉は、確信を得たのです。
この戦争が始まった時、やはり彼は最前線にいたのだと。

「…こらこら、見ちゃダメだって言っただろ?あまり良いものじゃないんだから。」

「あ…ご、ごめんなさい…。」

そういつもの微笑で注意をする彼ですが…身体と見比べてしまうと、首から上はいつもより貼り付けたように見えてしまって。

「司令官…その怪我は、いつのものですか?」

「古傷だよ。あれは最初の襲撃だったね…僕はまだ新人で、最前線に派兵されたんだ。その時のものさ。」

具体的に何があったのか、彼がそれ以上を語る事はありません。

青葉の見た記録では、どの部隊も多くの人が亡くなっていて…彼が仲間の死に立ち会って来た事だけは、間違いありません。
それでも怒りも悲しみも、封じ込めたように彼からは感じ取れなくて。
その時何を考えたのでしょう、自分でも分かりませんが…。


気づいたら青葉は、背中から彼に抱き付いていました。




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