53: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/04/20(木) 01:25:11.81 ID:RzQS9TXiO
「ひゃっ!…びっくりしたぁ、割れるかと思いましたよ。」
うちの鎮守府は建物が古くて、こんな日は時折窓がガタつきます。
業者を入れての工事も進めてはいるのですが…運営しながらではなかなか追い付かなくて、今でも雨漏りの報告がちらほらと。それは執務室も例外では無くて。
「おや、雨漏りですねぇ。」
「仕方ないな、バケツを置こう。」
ただの雨漏りだろうと思って、司令官がバケツを置きに行ったんです。
それで下にセットした瞬間…
『ばしゃっ!』
かなりの量の水が、彼の頭から降り注ぎました。
「司令官!大丈夫ですか!?」
「溜まってたのか…大丈夫だよ、濡れただけさ。青葉、着替えるから少し背を向けていてくれないか?」
「は、はい!」
青葉は異性の着替えは気あまりにしないのですが、こう言われたらさすがに目を伏せます。
うん、でも意中の人の上裸…ちょ、ちょっとぐらいなら……。
青葉とタンスの位置は、今は丁度背中合わせ。ばれないだろうと思って、こっそりとチラ見しちゃいました。
“え…?司令、官……。”
そこで目に入ったもの一つ一つは、写真の様に脳裏に焼き付いたのです。
でもそれは、見惚れてしまったとかじゃなくて…ショッキングな記憶として。
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