533: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/07/20(金) 03:52:41.01 ID:FKWrXIy5O
…あ、この曲……。
彼が死んで、1年が過ぎた頃でしょうか。
その頃の私は、泣く事だけは上手く出来なかったんです。
当時の職場でも明るい子で通っていて…でも一度休日になれば、床から窓の外を見るばかりの生活でした。
ぼーっと青空を眺めても、何も晴れやかじゃなかった。ひたすらに虚無でしかなくて。
そんな時ですかね…何となく再生した、あの歌が入っているアルバム。
それをぼーっと聴いて、最後の曲になった時。
血が泣いてる。
ただその1フレーズだけで、涙が溢れてきたのは。
“ああ、こんなに虚しいのは……。
やっぱりあの人は、私の家族になるはずだった人だからなんだ。”
そう感じた時、涙が止まらなくなったんです。
ジュンだけじゃない…扶桑さんの事、あの子の事、叔父さんの事……それと、ガサの事。
あの戦争で私を駆け抜けたいくつもの死が。
直接、間接問わず奪ってしまった命が。
その時ようやくそれらへの感情が、涙と共に溢れ出て来たんです。
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