480: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/02(土) 06:42:02.85 ID:n943p0E7O
ジュンの肩を担いで、私は浜を歩き出しました。
担いだ方の肩に血が沁みて、それが次第に冷たくなって行く。
重いなぁ……上手く歩けないよ。
人の命って、こんなに重かったんだ……。
「バカ…だなぁ…せっかく命がけの…一芝居打ったのによ……。」
「…バカはジュンだよ。カッコつけちゃってさ。死んじゃったら意味ないじゃん。」
「男の子ってのは…カッコ付けたい生き物…なんだよ……。
例え死のうが…何だろうが……惚れた女ぐらいは…守りたい…生き物だっての…。」
「……ぐす……死んで泣かせたら、守ったなんて言わないよ!」
「はは……そう…だな……。」
理不尽な死。
戦場にいた間、何度も私を通り抜けて来たもの。
だから必死に冷静なフリをして、いつものように振舞っていました。
本当は縋り付いて、泣き叫んでしまいたい。
でも終わりを間近にした今、私は最期までこの人の恋人でありたいと思ったのです。
あの大岩だ…早く連れて行かなくちゃ。
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