391: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/02/23(金) 03:44:44.95 ID:ZbGgHjaLO
『ゴーヤ、そっちはどうだ?』
「生体反応ナシ。この近辺で撃沈されたなら、敵の魚雷片があるはずでち。今の所は…」
『イムヤ、そっちは?』
「何も無いね……待って!衣笠さん、照明上げて!上の方に何か浮いてる……よし!掴んだ!」
イムヤちゃんが補助艦に引き上げたのは、何かの布のようでした。
それは白いもので…カメラによく映るよう近付けられた時、私達はその正体に気付きました。
「嫌……そんな……。」
それは…少し焦げた、桜の染め模様で。
「………__中佐、直前の戦闘の首尾はどうでしたか?」
『戦闘そのものには勝利。扶桑についても被弾なしとの報告を受けている。
……だからそれは…消息を断つ際、何者かに攻撃を受け破れたものと見て間違いないだろう。』
『お姉、ちゃん……。』
『山城!?すまない、急病人が出た。少し通信を切る。』
通信越しに聞こえたのは、かすかに囁いた声と、人が倒れる音。
山城ちゃん……!!
「司令官!青葉も行きます!」
「わかった。艤装の手配は整備に伝える、みんなを頼んだぞ。」
「はい!!」
そう執務室を飛び出して、すぐの事でした。
「………クソッタレがぁ!!」
初めて聞いたジュンの怒鳴り声と、机を殴る音。
それがより、この事態の深刻さを感じさせたのです。
……何も思わないわけ、ないよね。絶対に見付けてやるんだ!
ですが……その日の捜索では、結局それ以上のものを見つける事は出来ませんでした。
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