325: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/23(火) 06:19:49.93 ID:zzMbTBd6O
ある冬の日。
男は陽も上り切らぬ内に車を走らせ、とある街へと向かっていた。
神奈川県に入り、横浜方面へとハンドルを切る。
道中で横須賀と書かれた看板が目に入った時、その懐かしい名前に彼は一抹の切なさを感じていた。
しかし今日は、そこに目的は無い。
横浜を抜け、高速から降りた先は藤沢市。
そして鎌倉へ入ると、車はとある駐車場へと停まる。
助手席に置かれた花束と線香、そして途中で買った缶コーヒーを手に、彼は車を降りた。
そこは地元の小さな寺。
彼の学生時代の友人が、現在眠る場所だ。
「久しぶりだな。
…って言っても、聞こえちゃいねえか。」
4年前のあの日以来、彼は初めてここに訪れていた。
そして今日が、初めて変わり果てた友人を目にする瞬間でもある。
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