302: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 04:54:27.50 ID:cuHvI+uf0
もう理由もよく覚えてないけど、私が5歳の時、ママはパパと離婚したの。
それでママに引き取られて…後でパパから聞いたのは、その時かなりの親権争いがあったんだって。
ああいうのってさ、大体は母親が有利なんだ。決め手を上手く揃えられなくて、パパは負けちゃったみたい。
ママは美人さんだったよ?私は全然似なかったけどね。
303: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 04:55:33.43 ID:cuHvI+uf0
父親はわかんない。一体何人と関係あったのか、把握しきれないんじゃないかな。
お腹の中にいる時は、随分大事そうにしてたよ?それでも私を殴るのは変わらなかったけど。
お腹撫でて、歌なんて歌って……私には罵声しか浴びせなかったくせに。
304: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 04:56:52.89 ID:cuHvI+uf0
あいつも限界だったんじゃないかな?帰っきて早々、思いっきり私の首を絞めてくれたよ…何であんたはまだ生きてるの!って思ったのかもね。
丁度台所のシンクにぶつけられた感じでさぁ、苦しくて苦しくて……咄嗟に近くにあった包丁掴んで…あいつの喉を掻っ切ったんだ。
しゅー!って、血が噴き出したね。
出たての血って、あったかいんだよね…そのまま私の方に倒れてきて、丁度抱きしめられてるみたいになって。
305: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 04:58:21.23 ID:cuHvI+uf0
大人の死体って子供には重くてさ…まずママの腕を切ろうって思った。自分の肩にかける為にね。
丁度クローゼットにさ、新品のノコギリと手斧があったの。
…いつか私を殺して埋める為に買ったんじゃないかな。
その時ね…やっぱり顔が見えるでしょ?段々ムカついてきちゃってさ。
306: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 04:59:33.58 ID:cuHvI+uf0
でもその後も、しばらく尾を引いてたかな。
高校入っても、昔の流行り物や思い出話とか話せなくてさ…病気だったから知らないって誤魔化して。
大好きな人と付き合えたりもしたけど……カミングアウトしたら、やっぱり怖がられて振られちゃったりさ。
まぁ自業自得なんだけど、ずっとずっと憎かったよ。あの人の子にさえ生まれなければって。
307: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 05:04:24.09 ID:cuHvI+uf0
「…………そんな話。ふふ、衣笠さんサイテーでしょ?」
何を言ってあげればいいのか、分かるはずもありません。
想像なんて届かないぐらい、あまりにも壮絶な半生でした。
308: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 05:05:22.61 ID:cuHvI+uf0
今回はここまで。
309:名無しNIPPER[sage]
2018/01/06(土) 01:23:21.44 ID:53s6iQwzo
いつも読んでます
310: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/09(火) 05:00:05.74 ID:55A9FZXzO
数年前、ある新聞記事より抜粋。
311: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/09(火) 05:02:01.18 ID:55A9FZXzO
“………綺麗な夕日ね。”
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