307: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/01/04(木) 05:04:24.09 ID:cuHvI+uf0
「…………そんな話。ふふ、衣笠さんサイテーでしょ?」
何を言ってあげればいいのか、分かるはずもありません。
想像なんて届かないぐらい、あまりにも壮絶な半生でした。
「ガサ……大丈夫。」
だから今この子にしてあげられる事なんて、抱きしめてあげる事だけでした。
それ以上の事なんて、何も思いつきませんでしたから。
言葉をひり出せないなんて、記者失格だなぁ。
「青葉……ねぇ、ずっと友達でいてくれる?」
「うん!ずっと友達だよ!戦争が終わっても、お互いおばあちゃんになってもね!」
「………!!ありがとう…青葉…。」
胸元にぎゅっと彼女を抱いて、私はただ髪を撫でて。
それ以上の事は、きっと要らないとさえ思いました。
それは大きな間違いだったんですけどね。
自分が誰かにした事は、自分が誰かにされる事もある。
例えば…いつか私が下卑た笑みを隠す為に、ジュンの胸元に抱きついたように。
ガサもまた、この時何かを隠していたのかもしれませんね。
後々、私は一つ後悔をするのでした。
それは、恐らく一生続くであろうものになるぐらいの。
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