297: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/12/22(金) 12:20:49.67 ID:fvieGfDOO
「あははははははは!!!同じだよ!あの日と一緒!!
……同じだ…同じだよ……ママ…。」
ガサはその場にしゃがみこんで、ずっとそう呟いていました。
海面を見れば、ぷかぷかと防空棲姫の頭が浮かんでいて…その顔も、何だか悲しげに見えて。
“ジュン、ごめんね……ひとつだけ嘘つくよ。”
戦況撮影として写真を一枚取ると。
私はその頭へ向けて、引き金を引いたのです。
脳や目が宙を舞って、バラバラになって。
やがてその肉片も、波に飲まれて何処かへと消えました。
「こちら青葉。帰投中、注意のあった防空棲姫と遭遇。交戦し撃破しました。
遺体は回収不能と判断。写真を収めましたので、帰投次第再度報告致します。
…………ガサ。」
「あお、ば……。」
「いっしょに帰ろ。大丈夫だから…そばにいるよ。」
この時私は、泣きじゃくるガサを抱きしめる事しか出来ませんでした。
あの子が動けるようになるまで、私達はただ、じっと海の上にいたのです。
それは不釣り合いなぐらい、どこまでも澄んだ青空の日の事でした。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20