261: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/11/27(月) 06:33:26.98 ID:3Y4cAnbMO
『ちゃり…』
だが、それを止める存在が今の彼にはいる。
入浴中以外は絶えず身に着けている、葉のペンダント。
離れている時も、その存在が彼の感情を抑えていた。
“……あいつ、きっと悩んでるだろうな。”
タバコを吸い終え、携帯を手に取る。
電話越しに聞こえてくるのは、やはりどこか元気の無い声だった。
悪意に自己嫌悪を抱く程、本来は優しい性格の彼女だ。
彼の読み通り、随分と憔悴しているのが声のトーンで理解出来た。
『ジュン…。』
「どうした?」
『……大好き。』
しかし短い会話ではあったが、最後の方はようやくいつもの元気な声を聞かせてくれた。
彼にとっては不意打ちなおまけも付けてだ。
通話を終え、彼には珍しく、続け様に二本目のタバコに火を点ける。
しかし今胸にあるのは、先程とは別の感情だった。
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