187: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/09/17(日) 08:55:31.75 ID:MG+FbVqhO
その後もお姉ちゃんは、時折彼を家に連れて来た。
彼は私とも色々な話をしたし、一緒にゲームをしたり、3人で食事を作ったりした。
その度に、自分の気持ちが嘘じゃない事を突き付けられた。
血は争えないのかしら…彼の人柄にも触れる度、どんどん惹かれて行く私がいて。
そして、どんどん絆が深くなる『ふたり』を、目の前で眺めていた。
ある週末の事だ。
お姉ちゃんに買い物を頼まれて、彼も付いて来てくれる事になった。
思えばふたりきりなんて、初めての事。
行きの車の中は密室で…それは本当に、夢みたいだと思った。
薄くてもまだぎこちない化粧をして、服もちゃんと手持ちの中から吟味して。
そこにちょっとした下心はあったけど、思春期だからで誤魔化せると思ってた。
週末のホームセンターは、家族連れの中にカップルも混じっていて。
この中にいたら、私達もそう見えるのかな?なんて、ちょっと嬉しくなったものだ。
「あれ?__じゃん!なになにー?デート?」
そんな時、買い物に来てた友達に会った。
いざ知った顔にそんな事を言われると、照れてしまう。
「あ……ううん、お姉ちゃんの彼氏さん。買い物頼まれたのよ。」
でも、そうじゃないんだ。
自分の口から否定の言葉を吐けば、それは現実として跳ね返ってくる。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20