青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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147: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/01(木) 06:01:32.19 ID:SzsIr5nJ0
「病人ほっとかないで下さいよ…隣で寝て下さい。」

「…簡単に、異性にそんな事言うものじゃない。『僕』が狼でないと言いきれるかい?」

「……あなたの一人称が『僕』の時は、仮面被る時です。青葉、さんざん見ちゃってますから。
それに……『私』も狼ですから。食べられちゃうのはあなたかもしれませんし?」

自分が満更でもないと思ってもらえている事ぐらい、気付いてるんですよ。

だからこれは、卑怯な事。
こうやってどさくさ紛れに気持ちを伝えて、後戻り出来なくさせて…逃げ場を無くす行為。
それと同時に、これは青葉にとっても大切な事で。

本当は、今でも怖いんですよ。
こんな事したって、またいなくなるんじゃないかって。男の人自体を信じられなくなってる自分もいて。

だけど、それじゃこの先何も変わらない。

『私』との交流の中で、感情を取り戻し始めた彼。
もっと深く踏み込んだなら、より多く取り戻せるでしょうか?

自分の為にも、あなたの為にも。
今少しだけ、私達は殻を破らなきゃいけない。

「…私達は成人同士です。不倫でもない限り、男女の仲は自己責任ですよ?
司令官…いえ、__さん。私はあなたが好きです。あなただから、こんな事を言うんですよ。」

「………そうか。」

「びっくりしちゃいましたか?
_さん、あなたはどうなんでしょう?」

「俺は……。」

さっきとは別で、心臓がばくばくしています。
小悪魔気取ったって、内心は必死ですから。

とても長くて、永遠にも感じられる時間です。
背中に汗が伝うのを、青葉の肌は感じ取っていました。

「なぁ、__。」

その時聞こえたのは、青葉の本当の名前。
微笑も無く、ひどく真剣な。そして苦悩に満ちた顔で。

あぁ…あれだけの事、『私』はしてきたもんね。
きっと振られてしまうんだと、目元にじわりとした感覚を感じた時の事。




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