144: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/06/01(木) 05:56:22.82 ID:SzsIr5nJ0
あの浜に、青葉と司令官は立っていました。
彼は青葉の少し先にいて、いつもの微笑もありません。
ただ淡々と、曇り空の下を歩いていました。
『たぁん…。』
嫌な残響の銃声が響いたのは、その時のこと。
その場で彼は倒れて、青葉はそこに駆け寄るんです。
抱き上げるんですけど、血が止まらない。
気付いたら青葉の両手も真っ赤で…ふと自分の手を見たら、拳銃が握られていたんです。
血は暖かくて、全身に彼を浴びているようで。
でも拳銃は、とっても冷たい。
青葉が目を覚ましたのは、心までその温度に飲み込まれた時でした。
“あれ…?”
司令官の匂いだ。
真っ先に感じたのは、その香りです。
そこは医務室でもドックでもないし、ましてや自室でもない。知らないベッドの上で。
手があったかくて…それはどうやら、人に握られていたからのようでした。
「え…司令官!?」
「良かった…目を覚ましたのか。」
その手の主は、彼でした。
優しい笑みを向けてくれてて…青葉はそれで、ようやく現実に帰ってこれたのです。
でもここ、どこだろ…?
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20