青葉「けしの花びら、さえずるひばり。」
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106: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/08(月) 02:45:52.41 ID:hghrd//O0
「……彼を振ったのは、どうしてですか?」

「これをあなたに伝えるべきかは分からないけれど…嫌いになったからじゃないわ。今でも未練はあるもの。
ただ、私は引っ張られやすいから…ある時カッターを持って、こう思ったの。

“殺してあげる事が、一番彼の為になるんじゃないか”って…。

そう思って我に返って、別れるって決めたわ。
そばにいたら…本当に……やってしまいそうだったもの…。

ふふ…ひどい女でしょう?私は結局、彼を見捨てたのよ…。」

微笑みながらも、扶桑さんは涙声を堪え切れないようでした。

なんで見捨てたんだなんて、責める事は出来ません。
青葉は写真を撮る人間ですから…見れば分かるんですよ。ふたりがどれだけ想い合っていたのかなんて。
だから変化に耐え切れなくなるのは、おかしい事ではないって。

別れを切り出された時の彼の様子は、容易に想像出来ました。
あの困ったような笑みで、そうかとだけ言って……それですら、上手く悲しいと感じられなかったのでしょう。きっと、扶桑さんへの罪悪感さえも。

だけど…上手く感じられないだけで、感情が無いはずじゃないと思うんです。
でなきゃあんな寂しそうになんてしない。

例え壊れていても、あんなに優しい人なんですから。まだ可能性はある。



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