19: ◆1dX/SFXJz6[saga]
2017/05/26(金) 16:18:36.76 ID:Fg7/bSqh0
「いやあの、ほんと急いでるとかではないので……」
遠慮を続けるヤヨイに黒コートの女性は数秒「うーん」と悩み、ポンと手を叩く。
「ならアナタもあのコを見ていくといいわ。きっと勉強になるはずよ」
「あのコ?ってわわっ」
話が読み込めていないヤヨイをよそに、黒コートの女性はヤヨイの引いていく。そのままヤヨイは先ほど3人が囲んでいた何かの前に連れていかれる。ヤヨイの胸の高さ程度まである台座の上に乗せられていた「それ」を見て、彼女は思わず呟く。
「これ・・・・・・ポケモン、ですか?」
ヤヨイの眼に映ったのは、青い瞳に全身が黄色の体毛で覆われ、四つん這いになってジッとしている生物だ。初めて見るが、間違いなくそのフォルムはポケモンのそれだ。しかしヤヨイはある観点から確信が持てていなかった。
「小さいだろう? そのポケモンはバチュルと言って、現在確認されている中では世界で一番小さいポケモンとされているのだよ」
「バチュルかぁ・・・・・・。こんなに小さいポケモンもいるんですね・・・・・・」
その大きさはわずか10cm程度しかない。文字通り手の平サイズと言えるバチュルは、無垢な眼で自分より十倍以上大きい彼女たちを見上げている。
「どうやらバチュルを見るのは初めてみたいですね」
不意にバチュルを囲んでいた内の1人の女性が口を開いた。こちらも美しい金髪ではあるが、黒コートの女性とは対照的に、服装は白を貴重としたドレスだ。彼女が纏う雰囲気は大人びているが、その容姿は少女、といって言い年齢だろう。
「あ、はい。えっと・・・・・・」
「あら、アタクシとしたことが自己紹介がまだでしたわ。カトレア、と言います。普段はイッシュ地方に住んでいるの」
「イッシュ地方って……、確か凄く遠い所、ですよね? そんな人がどうしてわざわざシンオウ地方に……?」
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