18: ◆1dX/SFXJz6[saga]
2017/05/25(木) 21:13:09.35 ID:CVZp0XRX0
ヤヨイの家があるフタバタウンからマサゴタウンまでは、決して遠い道のりではないが、人間が1人で歩けばたちまち野生のポケモンに襲われてしまう。しかしレントラーという心強いポケモンに守られているヤヨイは、数十分の後マサゴタウンに到着した。
「とうとう着いちゃった・・・・・」
レントラーに着いていくがまま歩いていたヤヨイが、とうとうナマカマド研究所の扉の前にたどり着く。この扉を開ければ初心者用のポケモンを貰い、本格的に旅に出なければならない。
「行きたくないなぁ……。かと言って逃げだす勇気もないんだよね・・・・・・」
「(ほんと、イヤになる)」
などと悩むヤヨイを気にせず、器用に口でノブを咥えたレントラーがドアを開けた。
「心の準備ぐらいさせてよぉ!?」
慌ててレントラーについていくヤヨイ。研究所の中では、シンオウ地方、ポケモン科学者の権威、ナマカマド博士。そして2人の女性がなにやら何かを囲んで難しい顔をして話していた。
「あ・・・・・どうも。こ、こんにちはー・・・・・」
空気読めない登場の仕方しちゃったな、と後悔するヤヨイにナマカマドが気づいた。
「あのー、私、フタバタウンから来ましたヤヨイって言います……。初心者用のポケモンを貰いに伺ったんですけど……、後のがいいでしょうか?」
「おぉ。君がヤヨイくんか。レントラー、ご苦労だった。わざわ来てもらった所申し訳ないがヤヨイくん、少しそこのソファーで待っていて貰えないかね?」
「あ、はい分かりました」
(やっぱりタイミング悪かっよぉ……)
言われるがまま客人用と思われるソファーに座ろうとしていたヤヨイだが、何かを囲っていた2人の女性の内の1人に声を掛けられた。
「あら?あなた新人のトレーナーさん?」
腰まである美しい金髪に、全身を黒のコートでまとっているその女性は、ヤヨイに興味を示したかのように歩みよる。
「えっと・・・・・まあはい、一応」
「やっぱりそうね。ナマカマド博士、先に彼女の対応をしてあげてくれますか?」
「いいのかね? まだ話の途中だが・・・・・・」
「急に押しかけてしまったのは私たちの方ですから。この娘の用を優先するのは当然ですよ。それが新しいポケモントレーナーの旅立ちの日なら尚更」
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