園田海未「私、園田海未は、高坂穂乃果と南ことりを愛しています」
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62: ◆N2ciT2iELQ[sage]
2017/03/30(木) 18:57:12.97 ID:y4VgxIfx0
海未母「あのまま東京で関係を続けていたら、奇異の目に晒され続けていたでしょう」

海未母「彼らは家を守りつつ、私のことも守ってくれたのです」

海未母「現に今は、誰も当時のことを言う人はいません。人の噂も七十五日というのは本当ですね」

海未母「…当時の私はそれがわからなかったので、ただ彼らを恨むばかりでしたが」

海未「感情的に納得し難いですが…お母様の仰られることはわかります」

海未母「許嫁…つまり、貴女の父上も、とても誠実で、素敵な男性でした」

海未母「今もそう思っています。全てはめぐり合わせが悪かったのです」

穂乃果母「私達も、園田さんの家ほどじゃないんだけど、男性と付き合うようにしきりに勧められてね」

ことり母「何度お見合いの話があっても断ってたんだけど、園田さんが結婚してしまって、ああもう終わったんだ、って思って」

海未母「…貴女たちを産んだ後、ついに自由に会えるようになった私達三人は、それぞれの想いを語り合いました」

ことり母「そうしたら、三人とも同じ気持ちを持っているとわかったの」

穂乃果母「『もし子どもに将来愛する人ができたら、それがどんな愛の形であろうと、全力で応援する』」

海未母「…示し合わせたわけでもないのに、三人とも同じだった」

穂乃果母「それを知ってね、私たちは大丈夫なんだ。それぞれ違う人と結婚しても、気持ちはずっと繋がったままなんだって信じられた」

海未(そうなんですね。私の望んだことは)

(海未「……でも私は、私が愛する人とどうなるかぐらいは、自分で決めたいのです」)

海未(お母様たちの望みでもあったのですね…)

穂乃果「…ねえ、お母さん。お母さんは、海未ちゃんのお母さんが、今『愛してる、一緒についてきてほしい』って言ったら、どうするの?」

穂乃果母「穂乃果? 私はもう家族がいるのよ? それに結構いい歳だし」

穂乃果「いいから、正直に答えて」

穂乃果母「……」

穂乃果「お母さん」

穂乃果母「ごめんなさいね、穂乃果。たぶん、いえ間違いなく園田さんについていくと思う。全てを捨ててね。園田さんを、今でも愛してるから」

穂乃果「わかるよ。私だって海未ちゃんに言われたら、そうするもん」

ことり「お母さんは…?」

ことり母「私は高坂さんほど情熱的にはなれないわよ…でも、園田さんが最初のときみたいに、私の意思を無視して強引に私を連れ去ってくれないかなあ、とは思ったりするわね」

ことり「…お母さんって、少女漫画の主人公みたい」

ことり母「子どもでしょ、私達って。幻滅した?」クスクス

海未の頭に、母に言われた言葉が浮かぶ。

(海未母「…海未さん。大人はただの大きな子供です。分別があるように見せかけているに過ぎません」)

海未「いえ、とても素敵だと思います」

海未母「私たち三人の時間は、内浦で過ごしたあの時からずっと止まったままです」

海未母「互いに恋い焦がれ、三人で静かに暮らせるその日を待ち続ける、未熟な少女のままなのです」

海未母「貴女たちは、どうか時計の針を止めないでください。それだけが私たちの願いです」

穂乃果「私、目標が出来たよ」

穂乃果母「どんな目標?」

穂乃果は自分のお腹を撫でる。

穂乃果「海未ちゃんと、ことりちゃんと、穂乃果たちの子どもで、世界一幸せな家族を築いて見せる」

穂乃果「そして、同性愛とか、家の跡継ぎとか、そんなもの好きだって気持ちの前には関係ないんだって世の中に示してみせる」

穂乃果「それでね…お父さんたちのこともあるし、簡単じゃないと思うけど…お母さんたちがまた三人で一緒に笑いあって過ごせる方法も、いつか見つけてみせる!!」フンス

あまりに唐突で無茶な内容の宣言に、三人の母親はぽかんとあっけにとられる。

穂乃果母「…ふふっ。私たちがおばあちゃんになる前だと助かるわ」

ことり母「ほんとにね」


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