園田海未「私、園田海未は、高坂穂乃果と南ことりを愛しています」
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50: ◆N2ciT2iELQ[sage]
2017/03/30(木) 18:48:01.18 ID:y4VgxIfx0
海未母「…その後、高坂さんと情事を重ねていたのが、南さんの知るところになって」

穂乃果母「あれは大変だったねえ」

ことり母「あのときは本気で園田さんとの心中を考えてたわ」

ことり「お母さんが…?」

ことり母「ことりを産んでからはだいぶ落ち着いたから、わからないと思うけど。愛はそこまで人を狂わせるものなのよ?」

ことり(うう…ものすごくよくわかるよぉ。私とお母さん、嫌っていうほど似てる)

海未母「その後、私が二人を説得して……今の海未さんと同じ関係に至りました」

穂乃果「二人とも愛してるってやつだね! 穂乃果とことりちゃんも海未ちゃんに言われたよ」

海未「ほ、穂乃果」カァァ

ことり「…でも、お母さんたちは他の人と結婚してるよね?」

ことり母「…ええ」

ことり「そんなに愛し合ってたのなら、なんで」

海未(…私にはわかります)

海未母「ことりさん。私たちの愛は確かでした。しかし、周囲の環境と、時代がそれを許さなかったのです」

穂乃果「そんな…」

海未母「今でもこの国では同性愛は異端とされています。私たちの頃は尚更でした」

海未母「ましてや、私は戦前から存在する名の通った家の一人娘。…同性愛どころか、自由に恋をすることさえ許されていませんでした」

海未母「私は物心ついたころから、すでに許嫁がいましたから」

海未(…お父様ですね)

海未母「音ノ木に入れられたのは、地元の伝統ある高等学校であったというのもありますが、女子高だったことも大きいのだと思います」

海未母「恋愛にうつつを抜かして家名を辱めることが起こり得ないですから」

穂乃果母(実際は女の子同士の恋愛、結構あったけどね。エスってやつだね)

海未母「私が園田の家に、一人娘として生まれた以上、私の運命はすでに決められていた」

海未(…)

海未の母の言葉が、海未自身が以前発した言葉と重なる。

(海未「親に、教師に、友人に、穂乃果にことりに流され、流された場所でしっかりした様を見せて、真面目だ、頑張り屋だ、優秀だと言われて満足する」)

海未母「辛くはありませんでした。自分で決めなくていいというのは、それはそれで楽でしたから」

海未母「私はずっとこうだろうな、そう思っていました」

(海未「それに苦痛を感じたことはありませんし、これからも変わらないだろうなと思います」)

海未母「…しかし、高坂さんと南さんと共に歳を重ね、恋心が育っていくにつれ、私はこう思うようになりました」

海未母「この気持ちだけは、誰かが用意したものではないし、これからもそうはさせない」

海未母「他の全てが他人に決められたものであっても、ただ一つこの愛だけは私のものだと」

(海未「……でも私は、私が愛する人とどうなるかぐらいは、自分で決めたいのです。たとえそれがわがままでも、身勝手でも、普通ではないとしても」)

海未母「だから、私たちの関係が周知のもととなり、周囲に咎められた際に、私は人生で最初の――おそらく最後の――反抗をしました」

(海未「これは私の意地です。決められた運命への、周りから見ればささやかで、でも私から見れば大きな反抗です」)

海未母「私は二人と駆け落ちをしました」




かつてのとき、静岡県沼津市内浦

園田(私たちは、夏休みまで表面上は大人たちに従うふりをしました)

園田(そうやって警戒を解いた上で、夏休みが始まるとすぐに貯金を全額おろし、最低限の荷物と共に遠方まで逃げました)

園田「ここまで来れば、もう追ってこられないでしょう」

南「でもどうするの? こんなところに知り合いはいないし、いたとしても頼れないし…」


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