永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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439:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 02:48:35.41 ID:EID7KJ+P0


てゐ「百八……百九……大分数えたつもりだったのに、まだまだ先は長かった」

てゐ「さすがにキツかったわ……それにぶっちゃけ、少し飽きてきてた」

てゐ「だからあたしは、息抜きがてら――――ふと後ろを振り向いたの」


……いや、やはり気のせいではない。
 今宵初めて聞かされるはずの、妖兎の身の上話。
 な、はずなのに――――何故身共は、この”続きを知っている”?


てゐ「振り向いた先には……本当の意味で、小さくなった島があった」

てゐ「自分の育った場所が……風船みたいに萎んでしまっていた」


薬売り(その話は…………)


 薬売りも勘付きよったか……。
 そうだ。この話を知っているのは何も身共に限らぬ。
 この後妖兎が如何様な行動を取り、如何様な目に合い、そして最後に誰と出会うのか――――
 それは、我ら二人だけが存ずる話ではないのだ。
  

てゐ「――――あの時の和邇には、本当に悪い事をした」

てゐ「騙すつもりなんてなかった……ちゃんと最後まで数えてやるつもりだった」

てゐ「なのに……彼方へ縮んでいくあの島を見てたら……”どこまで数えたか忘れてしまったの”」


薬売り(まさか……こいつ……)


 身共の予想通りだ……やはり妖兎は、”和邇を数えなかった”。
 だとすれば、もう決定的だな。
 あの退魔の剣すらも、妖兎が偽りを申しておらぬ事を、震えで持って証明しておるわ。


てゐ「ほんとうに……また同じ事を……”あの時振り返らなければよかったのに”」


 知らぬ者を探す方が難しい程、広く知られた御伽の話。
 それがどういうわけか、妖兎の語る過去とすべからく一致しておる。
 これらを顧みれば、妖兎の真の是非など――――たった一つの「解」しか残されておらなんだ。



てゐ「おかげ様で……しっかりと”戒め”られちゃった……」




薬売り(因幡の白兎――――!)



https://i.imgur.com/SMQQw5c.jpg




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