永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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414:名無しNIPPER[saga]
2017/11/28(火) 03:27:14.64 ID:ZInpvyTS0



てゐ「ふん……いいわよバカ。そんな事言ったって、剣はあんたに返さないんだから」


 そして妖兎は――――再び黙した。
 妖兎が黙すことで、薬売りは口を開く機会を失い、結果両者に言葉は無くなった。
 夜更けに相応しき静寂が、ようやっと戻ってきた……とも言えなくもない。
 しかしこの期に及んでまだ黙す妖兎の姿は、薬売りには、未だ躊躇っているとしか思えなかったのだ。



薬売り「…………ん?」



 【刻】【刻】【刻】――――延々と続く言葉無き静寂。
 にも関わらず、だ。
 はてさてどういうわけか……妖兎の手にある退魔の剣が、何やらカタカタと震えだしたではないか。



てゐ「あたしってば……うどんげみたく、ベラベラと口が回る方じゃないからね」


てゐ「だから……”実際に見せた方が速い”と思うわけ」



 妖兎が黙した理由。
 その実は、戸惑っていたわけでも尻込みしたわけでもなかったのだ。
 真相は、本当に些細な所作である。
 単に――――「服を脱いでいたから」。



てゐ「これが…………あんたが知りたがってた”あたしの理”」



 妖兎がそう零すや否や、次の瞬間――――ハラリ。
 妖兎の召し物の上半分だけが、器用に体から折れ落ちた。



薬売り「な…………」



 要は……「服を脱ごうとして着崩れた」。
 ただのそれだけに過ぎなかった――――はずなのに。




【御目通り】




薬売り「こ…………れは…………」



 しかしながらそれは……確かに、妖兎の言う通りであった。
 露わになる肌。刻まれし真。滴る理――――
 それらはやはり、あの薬売りですら、寸分違わず同意せざるを得ないほどに……
 ”言葉よりも見た方が速いシロモノ”であったのだ。





(あんまし…………ジロジロ見んなって…………)





https://i.imgur.com/EuOxmAA.jpg



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