永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/28(火) 02:56:09.55 ID:ZInpvyTS0
薬売り「貴方がそうやって、退魔の剣を求め続けた理由……それこそが、貴方の理なんじゃないですか」
てゐ「……ちょっとなに言ってるのかわかんないわね」
薬売り「もう……いいじゃないですか。だって、そうでございやしょう?」
薬売り「周りがモノノ怪に振り回されるその裏で、貴方は虎視眈々と、あっしの剣を狙っていた……」
薬売り「故に周りに何が起ころうと、徹底して知らぬ存ぜぬを突き通した……と、言うより」
薬売り「――――”構っている暇がなかった”」
薬売りがそう告げた瞬間、あれほどはしゃいでいた妖兎の動きは、ものの見事にピタリと止んでしまった。
まぁ、気持ちはわかる。気に入りつつあった分、それだけ落胆も強かったのだろうて。
少し可哀想な気もするがな。
まぁ……妖兎が如何に可愛がろうと、剣は、あくまで剣にすぎぬと言う事よ。
薬売り「退魔の剣を抜くには条件がある……形・真・理の三つが揃わなければ剣は抜けぬ」
てゐ「それは知ってるって」
薬売り「ならばあえて、貴方にわかりやすいように言うならば……」
薬売り「――――”箱を開ける鍵”とでも、言いましょうか」
てゐ「……それも知ってる」
剣とはすなわち、人を斬る為の道具。
時の剣豪、高名な刀匠、歴史に名を刻んだ武将――――それらの愛用品として価値が付いたのは、あくまで後の話である。
後に如何なる値打ちが付こうとも、それは持ち主の関せぬ事。
彼らが剣を手にしていた当時は、剣は、紛れもなく人殺しの為だけにあったのだ。
薬売り「貴方は剣が欲しかったのではない……自らの手で斬りたかったのです」
薬売り「貴方には、そうせねばならない理由があった……他の者には任せられない”理”があった」
それは退魔の剣も例外ではない。
退魔の剣が存在する理由。それもまた、モノノ怪を斬る為”だけ”に存在するのだ。
よって退魔の剣は、嗜好品として愛でるには少々荷が重すぎた。
当然だ――――”モノノ怪はまだそこにいる”のだから。
薬売り「もうそろそろ、話して頂けませんかね……」
てゐ「…………」
薬売り「いいじゃないですか……どうせ、理を告げねば剣は抜けないのです」
薬売り「剣を抜かねばモノノ怪は斬れない……モノノ怪を斬らねば――――”攫われた者共は帰ってこない”」
よって妖兎の度重なる不振さは、とある仮説に基づけば、その片鱗を垣間見る事ができた。
その仮説とはすなわち――――”自らの手で決着をつける事”。
薬売り「仮にモノノ怪が……自分の内から溢れた情念であったとしても」
何故ならば、この妖兎こそが――――この地を守護する”番人”なのだから。
【兎兵法】
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