永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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410:名無しNIPPER[saga]
2017/11/28(火) 02:47:36.80 ID:ZInpvyTS0


てゐ「決まった……」

薬売り「大変、様になっておられます」

てゐ「ねね、ところでさ――――この子ってさ! 頭ついてるけど、喋ったりできないの!?」

薬売り「ああ、やはりそこが気になりますか……」


 夜も深まりし寅の刻。
 深淵とも呼ぶべき暗黒の最中にて、何故か宴会さながらの盛り上がりを見せておる酔狂者が、この場に二人だけおった。
 宴はまだまだ宴もたけなわと言わんばかりである。
 しかしながら……楽しみも悲しみも、いつかは終わりを迎えると言う物。
 それは、この闇夜ですら例外ではない。


 夜の中で最も深き刻――――【寅】。
 そう、この刻は最も深きと同時に、”最後の”刻でもあったのだ。


てゐ「もっちろん! だって、この子とおしゃべりできれば、暇な時間を楽しく過ごせるじゃない!」

薬売り「なるほど……そいつぁよかった」


 酉の刻から始まる夜は、またの名を暮六つとも呼ぶ。
 この「暮」とはすなわち夕暮れ。
 日が沈み、空が闇に染まる。その始まりを意味する言葉である。

 してこの日暮れの齎す不鮮明さは、いつしか人々に、とある言葉を吐かせる事となった。
 「誰ぞ彼――――」これが所謂、【黄昏時】の由来である。



てゐ「ってことは〜〜〜〜?」

薬売り「ええ……喋りますよ。貴方の期待通り、ね」



 しかしながらこの黄昏時……実は”二つある”のをご存じかな?
 この由来に基づくならば、暁の刻もまた、黄昏時となるのである。
 


てゐ「マジ!? やったぁーーーー!」



 同じ刻を表す言葉が二つある――――言い換えれば、「暮でもあり暁でもある」と言う事。
 しかしながら、二つの刻が入り混じる事など、一度たりともあってはならない。
 よって人々は、いつからかこの二つの黄昏を、”呼び名を変える”事で解決を図り申した。



薬売り「――――貴方が”理を解けば”、ね」


てゐ「…………」



 「彼は誰」時――――またの名を【卯の刻】である。


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