永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/28(火) 01:06:00.55 ID:ZInpvyTS0
てゐ「じゃあ……ええと……こんなケースはあたしも初めてなんだけど」
てゐ「一応まぁ、放棄試合と言う事で……勝者は敗者のスペルカード、またはそれに準ずるものを……」
薬売り「もう、置きましたよ」
てゐ「――――準備よすぎィ!」
勝利の証はすでに、妖兎の足元に置かれてあった。
勝利の栄光を称えるかのように、キラリと光るは「退魔の剣」。
これは理と引き換えに提示された、紛れもなき勝者の証明である。
てゐ「そ、その手には乗らないわよ……」
薬売り「何の、手ですか?」
そして薬売りのあまりの手回しの良さを前に、妖兎に不信感が湧き出る事もまた、至極道理。
よって妖兎は、小さくもハッキリと零した――――「こんなうさんくさい奴が素直になるはずがない」
そうなるのも当然だ。なにせ、他でもない自分がそうなのだから。
てゐ「……実はすでに剣には兎取りが仕掛けて合って」
薬売り「ありませんよ。寸尺的に無理でしょう」
てゐ「……とった瞬間この頭がガブッと噛みついてくるとか」
薬売り「しませんよ……できるならとっくの昔にやっています」
てゐ「ハッ――――わかったわ! この先っちょに薄いワイヤーみたいなのが括りつけてあってそれがあんたの指と(ry
薬売り「やれやれ……疑り深い方だ」
薬売り「そこまで言うなら――――これならどうです?」
てゐ(はう――――!)
そう言うと薬売りは、両の手を大きく上へ掲げた後、肘を折り曲げ、掌を頭の後ろへ追いやった。
まるで岡っ引に捕えられたコソ泥のような、実に哀れな姿勢である。
そんな情けないにも程がある姿を、何故だか自信満々に。
しかも「してやってる」と言わんばかりに、妖兎の眼前に恩着せがましく見せつけたのだ。
https://i.imgur.com/AzhVk8d.jpg
薬売り「必要とあらば目を瞑りましょう。それでも不安ならば頭を垂れましょう」
薬売り「そこまでしてもまだ不信感が拭えぬのなら……拭えるまで、トコトン付き合いましょう」
薬売り「――――”夜が明けるまで”、ね」
てゐ「う……」
妖兎は困った。実に困った。
妖兎の脳裏には、未だかつてどこにも存在しなかったのだ。
謀った相手が怒り狂う様は幾度も見て来たものの――――自らの「負けを強く主張する者」など、いくら遡ろうと、どこにも。
薬売り「どうしました……勝利を手に取らないのですか?」
てゐ「く、くっそ〜……」
怪しすぎるのは重々承知。が、それでも妖兎は手に取らねばならぬ理由があった。
否。それはもはや「義務」とすら言えよう。
何故ならば……見慣れぬ掟にも関わらず、薬売りはちゃ〜んと従ったのだ。
それは、名付けるならば――――「敗者の掟」。
さもあれば、今度は勝者が勝利を手にする事も、これまた”掟”の範疇であったのだ。
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