永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/28(火) 00:55:47.74 ID:ZInpvyTS0
薬売り「やっぱりね」
てゐ「みんな、もう解散しておっけーよ。なんとこいつ、”始まる前に降参”しやがったわ」
「解散」。妖兎の言葉を皮切りに、兎は兎らしく、可愛げに跳ねながら散っていった。
その帰り際は、なんとなしに「肩透かし」的な哀愁を感じなくもない。
まるで待ちぼうけを食らった妾のようである。
でもまぁ、これでよかったのかもしれん……いかに行け好かぬ薬売りとて、知人が獣の供物となりて食われる姿など、見とうなかったのでな。
薬売り「いやはや、危ない所でした……あともう少しで、全身を齧り切られる所でしたよ」
てゐ「いや、別にそこまでするつもりはなかったんだけど……」
妖兎の指示に忠実に従うこの兎共は、言わば妖兎直属の配下。
玉兎とは違い、この妖兎は単身でありながら無数の分身を所持していたのだ。
こうなればある意味、最初に因縁をつけられたのは「不幸中の幸い」だったと言うべきか……
妖兎が【兎を操る力】を持つなど、あらかじめ見ておかねば、きっと気づけぬままであったろうて。
薬売り「あの時、あっしの札を竹毎齧り切った、凶暴な兎達……しかし兎とは、元来臆病な生き物」
薬売り「臆病なはずの兎が、何故にあの時に限りあれほど興奮していたのか……答えは実に簡単だ」
薬売り「誰かがそう指示したからです。あの時最も興奮していた”長”からね」
(――――このうさんくさいちんどん屋を全員で取り囲め〜〜〜!)
玉兎が乱す力を持つように、妖兎は兎を操る力があった。
普段は雑用作業の延長線でしかない能力であるが、それ故に”いくらでも応用が利く”。
これこそが月にはない力。
当人の使い方次第で、如何様に便宜を図れる【地上の力】。
薬売り「こんな有効な手段、この場で使わぬ道理はなし」
薬売り「足を引っ張るもよし、盾になるもよし……従える兎の数だけ、いくらでも介入できる」
てゐ「だぁ〜〜〜〜もうわかった! そうです、そのとーりです!」
てゐ「インチキしようとしてましたごめんなさい! どお!? これで満足!?」
妖兎の白状が、崇高な決闘を一個人の謀りへと変えた。
あれほど掟だなんだと煽っていたにも拘らず、その実「虎視眈々」を狙う腹積もりは、逆に関心すら覚えると言う物よ。
しかし問題は……こいつ。
何やら意気揚々と妖兎の企みを暴いておるが、やってる事はただの腑抜けである。
てゐ「でもさぁ……ドヤってる所悪いけど、あんた、ほんとにわかってる?」
てゐ「スペルカードルール下において、降参を宣言する事がどういう事か……知らなかったは通用しないわよ」
薬売り「ええ、重々承知ですとも」
そう。如何様な謀りがあり、いくらそれを見抜いたとて……薬売りが取った手段は、結局「諦め」でしかないのだ。
弾幕勝負に待ったはない。それは我らの決闘とて同じ。
「参った」――――この言葉を吐いた瞬間、薬売りの敗北は決定してしまったのである。
【決着】
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