永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/11/28(火) 01:11:10.59 ID:ZInpvyTS0
てゐ「と、取るわよ……?」
薬売り「どうぞ」
てゐ「ほ、ほんとに取るわよ……?」
薬売り「そのように」
今までの強気な態度はどこへやら。
退魔の剣を取らんと伸ばすその手は、臆病と呼ばれる兎そのままに、ぷるぷると震えておったのだ。
その様はさながら、ヘビに睨まれたカエル……もとい、剣に睨まれた兎。
それは剣が顔貌の如き形を持つ故か。
妖兎からすれば、剣が新たな主人となる自分を、じっと睨んでいるようにも見えたのであろう。
退魔の剣「 」
てゐ「お…………」
薬売り「はやくしてもらえませんかね……手が痺れて参りました」
てゐ「う、うっせ! 急かすんじゃないわよ……」
震えつつも少しずつ近づいていた妖兎の手が、寸前でピタリと止まった。
薬売りが掟を遵守した以上、今度は自分が守らねばならぬ。
そんな事は重々承知の上である……が、そんな妖兎の葛藤は、身共もよ〜く理解できようぞ。
「――――最高に胡散臭い」
身共が妖兎なら、やはりその言葉を吐くであろうな。
退魔の剣の風貌も去ることながら、この”自身に都合の良すぎる展開”は……
兎の臆病な性を、そりゃあもぉ〜激しく刺激したのだ。
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