永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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406:名無しNIPPER[saga]
2017/11/28(火) 01:11:10.59 ID:ZInpvyTS0


てゐ「と、取るわよ……?」

薬売り「どうぞ」

てゐ「ほ、ほんとに取るわよ……?」

薬売り「そのように」


 今までの強気な態度はどこへやら。
 退魔の剣を取らんと伸ばすその手は、臆病と呼ばれる兎そのままに、ぷるぷると震えておったのだ。

 その様はさながら、ヘビに睨まれたカエル……もとい、剣に睨まれた兎。
 それは剣が顔貌の如き形を持つ故か。
 妖兎からすれば、剣が新たな主人となる自分を、じっと睨んでいるようにも見えたのであろう。



退魔の剣「 」


てゐ「お…………」


薬売り「はやくしてもらえませんかね……手が痺れて参りました」


てゐ「う、うっせ! 急かすんじゃないわよ……」


 震えつつも少しずつ近づいていた妖兎の手が、寸前でピタリと止まった。
 薬売りが掟を遵守した以上、今度は自分が守らねばならぬ。
 そんな事は重々承知の上である……が、そんな妖兎の葛藤は、身共もよ〜く理解できようぞ。

 「――――最高に胡散臭い」
 身共が妖兎なら、やはりその言葉を吐くであろうな。
 退魔の剣の風貌も去ることながら、この”自身に都合の良すぎる展開”は……
 兎の臆病な性を、そりゃあもぉ〜激しく刺激したのだ。




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