永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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292:名無しNIPPER[saga]
2017/05/20(土) 19:52:41.20 ID:vYXW/NBlo


薬売り「最初から……知っておられたのですね……」

薬売り「自分の中に……”もう一人誰かがいる事”を」

うどんげ「なんとなくは気づいてた……でも、確信はなかったの」

うどんげ「だって、いくら呼びかけても……ずっと、無視され続けてたからね」

薬売り「それは……いけませんなぁ」


レイセン「カ…………ッ!」


 人はだれしも、思い出したくない記憶があると言う物よ。
 何らかの失態を犯した時。人前で大恥をかいた時。誰かに裏切られた時。身の毛もよだつ恐怖を感じた時――――
 それらを自在に忘れる事ができれば、一体どれほど、楽な事であろうなぁ。
 だが口惜しい事に、生きとし生ける物は、残念ながらそのようにはできておらぬのだ。


うどんげ「呼びかけても答えてくれない。面と向かっても目を合わせてくれない」

うどんげ「だから、わからなかったのよ……自分の中にいるのが、一体誰なのかを」


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薬売り「しかし今、ようやっと分かり合えた……」

うどんげ「あたしの中にいたのは……”あたし自身”だった」


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 故に生き物は、そうせざるを得なかった。
 苦しい過去を糧にするしかなかったのだ。

 過去の苦痛を経て、新たな存在に再生せんとする道。
 まさに修験が唱えし「疑死再生」の道――――。
 その道を選んだが故に、生き物は、今日における多種多様な存在に枝分かれしていった……のかもしれん。





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