永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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230:名無しNIPPER[saga]
2017/05/07(日) 11:02:36.58 ID:qbKvk9zbo


(…………ふふ、今日はこのくらいにしといてあげようかしら)


 その効果は、まさに覿面でした。
 よっぽど似ていたのでしょう。永琳が涙を流す回数が、目に見えて増えて行きました。
 声の効果を実感したレイセンは、さらなる一手として、また誰かの声色を使ってとある噂を流しました。

 「八意永琳は輝夜の流刑に心を痛め、精神に支障を来たしてしまった――――」

 その噂を真に受けた兎達は、段々と永琳を怖がるようになりました。
 仕事も私用も関係なく、いつしか誰も、永琳に近づきすらしなくなりました。
 永琳はさぞ不思議に思った事でしょう。
 中には、目が合っただけでバッと逃げ出す者もいたくらいなのですから。
 

(あ〜、ほんとうに…………)


(………………ウケる)


 永琳が涙を流す数に比例して、レイセンはよく笑うようになりました。
 レイセンの笑いに釣られて、怯えた兎達も、レイセンがいる時に限り明るく振舞う事が出来ました。
 そうしていつ頃からか……もはやその職場に、永琳の居場所はありませんでした。
 皆「おかしくなった本来の上司・永琳」よりも、「明るくて頼りになるリーダー兎・レイセン」の言う事しか、聞かなくなっていたのです。




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