永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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191:名無しNIPPER[saga]
2017/05/04(木) 20:09:58.98 ID:jSwuJJZ7o

うどんげ「あたしが来たのは……実は、つい最近の話なの」

うどんげ「と言っても、人間の基準じゃ十分昔だけどね」


【推定】

【数十年前】


薬売り「月……絵巻や伝承にも幾度となく現れる都」

薬売り「しかしそれらは全て、文明の栄えるいと優雅な世であると描かれる」

薬売り「まさに貴方の言う、栄華極まるかの都……とてもじゃありませんが、逃げ出したくなる場所とは思えませぬ」

うどんげ「栄華極まる……からよ」


 確かに、伝え聞く話からして逃げ出したくなるような都とは思えぬな。
 ともすればその実、飢饉や徴収、または戦が蔓延る阿鼻叫喚の地。
 まるで愚王の政かのような情景が、頭に浮かぶのだが……

 だとすれば今度は、逃げ出す民の数が少なすぎる。
 人の半生分を「つい最近」と言ってのけるほど、長き歴史を持つ都じゃ。
 そこまで酷いならば、他にもっともっと、逃亡者がおってもよさそうな物なのだが……


うどんげ「栄えすぎた文明は、その地に生ける、全ての命を堕落に落とす……」

うどんげ「それはまるで病魔の如く……人知れず、その地の全てを腐らせていく」


 じゃが、月の都を覆う惨状は、そのどれにも当てはまらなんだ。
 玉兎の口ぶりからして、やはり月は、話に聞く通りの栄華成る都だったのじゃ。
 まさに豊かに溢れた桃源郷そのもの。
 やはりとてもじゃないが、逃亡を決意させるとは到底思えぬわ。



うどんげ「かの都……”栄”に犯された、末期の都」



 まるで頓知じゃ。さっぱりわからんわ……
 玉兎が曰く、「栄こそ堕」の、その意味が。
 


【実情・月之都】





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