164: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/03/21(火) 14:01:16.74 ID:3m83T0D/0
「……うわぁ」
木々やなんやらがすごい勢いで流れていきます。橋? そんなもんどこにも見当たりません。
妖精さんなしで渡ろうものなら、たちまちわたしも木々のように下流へと流されていくことでしょう。こういう場合、う回路を探すのがセオリーですが……。
「地図で見た限り……見た、限り……」
地図で見た限り、ここに川はありませんでした。地形を現していない地図など存在価値があるのでしょうか、いや、ない。
「あんた、川を渡りたいのかい?」
「え?」
突然声をかけられました。振り返りますと、
「おや? あんた、もしかしてかばんの同類?」
「あなたは……?」
「私はジャガー。普段はここで川渡しをしてんだけどね。こないだからの雨で水かさが増しちゃってさ」
ジャガーさんは肩をすくめました。
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