【ダンガンロンパ】辺古山「猫のいる生活」
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20: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2017/04/11(火) 13:07:25.90 ID:YNtF4pbK0
王馬 「ゴン太の発言から推測すんの面倒だなー」

 また体がヒョイっと浮き上がって、何かの上に座らされた。その何かは、王馬の膝の上だった。
 しかも、さっきは対面していたから蹴りをかませたが、今度は後ろ向きにして前足の付け根を持ってやがる…引っ掻くこともできねぇ…。

王馬 「星ちゃんの意向としては、もうこの学園をでる方向で固まってんだし、いいじゃん?」

王馬 「じゃあ、外へ行こうか?」

 俺の顔を上から覗きこんでから、俺を抱えたまま王馬は立ち上がって扉に向かう。そのまま学園の外へ俺を連れ出そうとしている王馬に、獄原が慌ててその進路を塞ぐ。

獄原 「ま、待ってよ! 王馬君!! もう少し話し合おうよ!」

『……王馬、ちょいと待ってくれ』

獄原 「あ、星君も待ってって言ってるよ!」

王馬 「んー? 星ちゃんは野生猫になりたいんでしょ? それとも、やっぱり人間に戻りたいっていう捨てきれない未練でもあんの?」

『そうじゃねぇ』

獄原 「違うみたい…」

王馬 「じゃなに?」

 俺は思い出した。この姿だからこそやれること…辺古山の夢を叶えてやれる。
 俺だったら、あいつを怖がったりして逃げたりもしない。中身が俺だという点を除けば、今まで触りたくても触れなかった動物に触れられるということだ。

『学園を出る前に寄りたいところがある』

獄原 「うう…学園を出る意思は変わらないんだね……え、えっと、寄りたいところがあるんだって」

王馬 「ふーん? どこに行きたいの?」

 上から、俺の考えていることを探ろうとしているのか、瞳を覗き込む。瞳の動きで動揺しているかを判断するためだろう。

『とりあえずこの部屋から出してさえくれりゃ、自分で行く』

王馬 「目的を言い渋るその感じ、女のとこに行くんでしょー? やらしいんだー」

『勝手に想像してろ』

王馬 「うん! 想像しとく!」

 満面の笑顔で答えたかと思うと、イヤにあっさりと手を離した。もう少し鍔迫り合いするもんだと思っていただけに、肩透かしをくらった気分だ。

王馬 「ゴン太ー、星ちゃんの代わりに扉開けたげてよ」

獄原 「え? う、うん!」

 獄原は王馬に言われるままに、扉を開いた。開かれたその先の光景は、見慣れているはずなのに、この部屋とは比べものにならないほど広い世界が広がっている。

『……王馬、どういうつもりだ?』

獄原 「王馬君。星君がどういうつもりだって訊いてるよ?」

獄原 「寄りたいところにいってらっしゃいってことじゃないの……?」

王馬 「一度この学園から出ちゃったら、星ちゃんはそのまま、やりたいことを諦めて去るタイプだろうからっていう、オレなりの情けをかけてあげてるんだよ」

王馬 「これは本当。嘘じゃないよ」



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