5: ◆nRrk0j/cII[sage]
2017/03/07(火) 22:46:31.66 ID:fQqIpxIUo
「うん、ずっとだよ…それも……」
轟音で声がかき消される。
地面が消えた。
一瞬、身体が浮いて自由落下。
右手だけは離してたまるか。
そう思って一層力を込める。
ほんの少し経つと背中が落下方向を向き、ほぼ水平の体勢になる。
右手の彼女を見ると笑っていた。
大粒の涙を重力に逆らって流しながら。
涙を追う。
空。
雲。
瓦礫。
文明の残骸。
ああ、こんなにも脆かったのか…。
僕は笑えているだろうか?
不安になり左手を彼女の方に伸ばして抱きつく。
周りはもう真っ暗で、空も小さくなっていく。
どこまで落ちていくのだろう…。
どこまで……。
いつまで……。
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