72:ヒヤコ ◆XksB4AwhxU
2017/03/20(月) 21:12:08.72 ID:/hzpnLfA0
生徒A 「よっ……っと、登れないことは、ないけど……キツいな」ズルズル
生徒B 「おい桑田、無理そうだしさっさと"出口"作ってくれよ」
塀に向かって立つオレは、あの鉄の扉で塞がれた玄関ホールと、舞園の言葉を思い出していた。
『わたし、はっ…出なきゃ、いけないんです!!早く、ここから出なきゃ!!!
あなたなんかと違って、わたしには!!待ってる人がいるんです!!』
桑田 「たりめーだろ……こんなとこ、一秒だっていられっかよ」
オレは塀に手を当てて、「すうっ」と深呼吸する。
出口……出口……扉……
"出(いずる)"
オレの手の下で、パアッと青い光が生まれた。次の瞬間、真っ白だった塀に教室の扉ができている。
桑田 「ま、マジで……オレが出したのか?これ……」
正直、アタマがついてかない。そんなオレをよそに、塀の上にいた奴が「やりぃっ!」と飛び下りた。
生徒A 「俺いっちばーん♪……って、あれっ?」
何が起こってるのか分からなかった。扉を開けて出たはずのそいつが、また扉の中から出てきた。
生徒B 「おい桑田、お前ちゃんと出口作ったのかよ!」
生徒C 「出らんねーじゃねーか!もっかいちゃんと……」
桑田 「お、おい!前……」
生徒C 「あ?」
一瞬。
本当に一瞬だった。オレが作った扉から……いや、そこに出た黒い円から、にゅうっと化け物が出てきて、
そのデカい口をあんぐりと開けて……扉の前に立ってたそいつらを呑みこんだ。
足から力が抜けて、その場にへたりこむ。化け物の腹が、ちょうど人の形に浮かび上がっている。
桑田 「あ、あっ……!」ガタガタ
桑田 「あ゛っ、あああああああっ!!」
オレは滅茶苦茶に叫びながら、走り出した。足がもつれて転びそうになるのを、必死で逃げる。
頭ん中は真っ白で、ただ本能だけで化け物の動きを読んで逃げる。
桑田 (怖えっ……こえーよ!!誰か、誰か助けっ……)
桑田 「嫌だ……もうこんな学園いたくねえっ!!」
何分……そんなに長い時間じゃなかったんだろーけど、オレにとっては何時間にも感じた。
空を覆っていた雲が晴れて、校庭が明るくなる。同時に、化け物はすうっと消えていった。
桑田 「あ……終わっ、た……?」ヘナッ
桑田 「は、はははっ……生きてる……オレ、生きてんだ……」
【初日:始
死亡者数:876名
生存者数:1624名
総生徒数:2500名→1624名】
へたりこんでいるオレの横で、青い帽子をかぶった作業員みてーなモノクマが出てきた。
死体をテキパキと袋に入れて、運んでいく。
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